2014年11月1日土曜日

線形代数II演習(第4回)

[物理2 クラス対象(金曜日4限)]

今日行ったことは、
  • 次元の計算.
  • 一次独立なベクトルの最大数.
  • いくつかのベクトルから一次独立なベクトルを最大数探すこと.
  • 基底を拡張すること
  • 補空間
です.

次元の計算
 次元とは、基底の数でした.
最後にやっていたB-4-1(2)ですが、もう一度書きます.
$W:=\{f(X)\in P({\Bbb C})_2|f(X)=f(1-X)\}$
となるベクトル空間の次元を求める問題をやりました.
同じ問題はC問にも一つ入れました.

$X$をいれても、$1-X$ をいれても同じ多項式を探すわけですから、
$X+1-X=1$ や $X^2+(1-X)^2=2X^2-2X+1$ などはこの条件を満たします.
もちろん、$X(1-X)$ も入れ替えても変わりません.
なので空集合ということはありません.

ベクトル $f(X)$ を
$f(X)=\begin{pmatrix}1&X&X^2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}a_0\\a_1\\a_2\end{pmatrix}$
と基底 $\{1,X,X^2\}$ を使って表示しておきます.

$a_0+a_1X+a_2X^2=a_0+a_1(1-X)+a_2(1-X)^2$ なる式を整理すると、
$a_1+a_2+2a_1X+2a_2X=0$ となります.
係数を比べて、$a_1+a_2=0$ となります.比べる係数は2個ありますが
結局同じ式でした.
$a_1+a_2=0$ が連立方程式ですが、
一つしかありませんね.行列も$1\times 3$ 行列で、$(0\ \ 1\ \ 1)$
となり、すでに簡約化されています.
先頭列でない $a_0,a_2$に文字 $c_1,c_2$ をいれて、
$a_0=c_1,\ a_1=-c_2,\ a_2=c_2$ とすると、
$\begin{pmatrix}a_0\\a_1\\a_2\\\end{pmatrix}=c_1\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix}+c_2\begin{pmatrix}0\\-1\\1\end{pmatrix}$
となります.つまり、基底を使って元に戻せば、
$W=\langle(1\ X\ X^2)\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix},(1\ X\ X^2)\begin{pmatrix}0\\-1\\1\end{pmatrix}\rangle$
$=\langle 1, -X+X^2\rangle$
となります.
これらが基底であることは、一次独立性は、この2つが平行でないこと、
一次結合性は、この連立方程式を解いて得られたベクトルの形であることから
明らかに成り立ちます.
ゆえに、$\dim(W)=2$ となります.

最初に言ったことを確認すれば、$1$ や、 $-X+X^2=X(1-X)=\frac{X^2+(1-X)^2-1}{2}$が
基底として入っていたわけです

一次独立なベクトルを最大数探すこと
 いくつかのベクトルの中から一次独立なベクトルを探し出したり、一次関係を求めることが
あります.

 まず、${\bf w}_1,\cdots,{\bf w}_m$ の中の一次独立なベクトルの最大数が $r$
であるとは、このなかに、$r$ 個のベクトルが存在して、一次独立になっている.
さらに、任意の $r+1$ 個のベクトルが一次従属であること

です.
そこで、

$({\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_m)=({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)({\bf a}_1\cdots{\bf  a}_m)$
と、ベクトル ${\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_m$ が基底 ${\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n$
を使って行列表示されているとします.(行列表示については前回のページを見てください.)

そうすると、${\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_m$ と ${\bf a}_1,\cdots,{\bf a}_m$ の一次関係は
同じになります.これを一次関係の同値性ということにします.
この意味なども前のページに書きました.

一次関係が同じということは、いくつかのベクトルたちに成り立つ一次関係式が
全て同じということです.(つまり対応する係数が同じ.)

とくに、いくつかのベクトルたちが一次独立であるという条件は同じです.
つまり、最大とれる一次独立なベクトルも同じということになります.

${\bf a}_1,\cdots,{\bf a}_m$ の中で一次独立なベクトルを取ればよいですが、
$A=({\bf a}_1\cdots{\bf a}_m)$ を簡約化していって、
$\begin{pmatrix}
1&0&-1&0&\cdots&\cdots\\0&1&1&0&\cdots&\cdots\\0&0&0&1&\cdots&\cdots\\ 0&\cdots&\cdots&0&\cdots&\cdots\\0&0&0&\cdots&0&1
\end{pmatrix}$
となったとすれば、この、1番目、2番目、4番目、...,$m$番目が一次独立であることは
一目瞭然です.
行列を行で基本変形をしても、縦ベクトルにおいて一次関係の同値性が成り立ちます.
なぜかはこれの前のページに書きました.

簡約化する前の行列とした後の一次関係が同じなので、この1番目、2番目、4番目、...,$m$番目
は一次独立なベクトルを最大数取っていることになります.
さらに言えば、左から一次独立なベクトルを順々にとってもいます.

また、他の縦ベクトルの係数をみれば、3番目は、1番目の$-1$ 倍と2番目の1倍を足したものに
等しいこともわかります.

よって、一次関係の同値性から ${\bf a}_1,{\bf a}_2,{\bf a}_4,\cdots,{\bf a}_m$ が一次独立なもので最大なものであることも分かります.

宿題 C-4-2も一次独立の同値性を用いて一次独立なもの、また、一次関係を探してみてください.
数ベクトル空間でないベクトル空間の場合でも、まずは、基底を使って
行列表示してから行ってください.その縦ベクトルの中から、
一次独立なベクトルおよび、一次関係を探しましょう.

基底を延長すること
 いくつかの一次独立なベクトルがあったときに、そのベクトルを延長して、基底
を作りだすことがあります.延長が存在することは教科書や講義で行っていると思います.
これを具体的に行いました.
 まず、数ベクトル空間の場合に行います.

一次独立な数ベクトル
${\bf v}_1,{\bf v}_2,\cdots,{\bf v}_m$ があったときにそれを延長します.
そのとき、標準基底 ${\bf e}_1,{\bf e}_2,\cdots,{\bf e}_n$ を使って、行列
$A=({\bf v}_1{\bf v}_2\cdots{\bf v}_m{\bf e}_1{\bf e}_2\cdots,{\bf e}_n)$
を考えます.
右の方には $n\times n$ 単位行列があります.

やることは、一次独立なベクトルを最大数さがすことと同じです.
つまり、この行列を簡約化していって、一次独立なベクトルを探します.

簡約化してやると、一次独立なベクトルを左から順番にとっていくことになるから、この方法でいけば、
最初の$m$ 個は必ずとることができます.
そのほかの$n-m$ 個は標準基底の中からさがすことになります.
それを、${\bf e}_{j_1},\cdots,{\bf e}_{j_{n-m}}$ とすると、
${\bf v}_1,{\bf v}_2,\cdots,{\bf v}_m,{\bf e}_{j_1},\cdots,{\bf e}_{j_{n-m}}$
が延長して作った $V$ の基底ということになります.

一般のベクトル空間の一次独立なベクトルの場合も基底 $\{{\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n\}$
を一つ使って、ベクトルを行列 $A$ と表示しておいてから、上のように単位行列 $E$ をくっつけて
$(AE)$ を簡約化を行ってください.

そうすると、一次独立な残りのベクトルがあぶりだされることになります.
注意として、付け加える基底は標準的なものでなくても、基底であれば
同じようにできます.

補空間
 
 ベクトル空間 $V$ とその部分ベクトル空間 $W$ があったときに、$V=W\oplus W'$
となるような部分ベクトル空間 $W'$ のことを$W$ の補空間と言います.
記号 $\oplus$ は直和を意味します.線形代数の講義では出てきたと思いますが、
演習ではまだです.(来週の予定)

要は、任意の $V$ のベクトル ${\bf v}$ が ${\bf w}+{\bf u}\ \ {\bf w}\in W,\ {\bf u}\in W'$
と一意的に分解できることを意味します.
一意性は、${\bf w}+{\bf u}={\bf w}'+{\bf u}'$ なら ${\bf w}={\bf w'}$ かつ ${\bf u}={\bf u}'$ といういみです.

このような補空間を求めるには、さっきのあぶりだしの方法を用います.
$W$ が基底で ${\bf w}_1,\cdots,{\bf w}_k$ 生成されているとして、基底を付け加えて
一次独立なベクトルを探した、残りの基底ベクトル $\{{\bf w}_{k+1},\cdots,{\bf w}_n\}$
で生成されたベクトル空間 $W'$ が $W$ の補空間に他なりません.

C-4-3 はこのように基底の延長をする問題なのですが、  $W$ の方の
$\langle \cdot,\cdot,\cdot\rangle$ は基底でかかれているわけではありませんので、
まずは、そちらから $W$ の基底を探し出してから基底を延長して補空間の基底を
求めてください.

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