2015年11月4日水曜日

トポロジー入門演習(第5回)

[場所1E103(月曜日4限)]

HPに行く.

今日は可算公理について説明しました.

第一可算公理は、各点において可算個の近傍基を持つことです.

近傍系とは、各点の近傍を全て集めたものですが、近傍基とは、その中でいくらでも小さくできるものを集めたものでした.正確な定義は第4回(←こちら)にも書きました.

近傍基は近傍系の部分集合なのですが、近傍として役目(いくらでも小さい近傍が中に入っているようにする)を満たすものをいいます.


次に可算公理をまとめておきます.

第一可算公理(可算近傍基)
各点において可算個の近傍基をもつ.

注意点は、各点において可算個でよいという点です.

第二可算公理(可算開基)
開基として可算個のものが取れる.

この公理は各点ごとに可算ではなく、開基全てを集めてきても高々可算個しかないということです.

第一可算公理と第二可算公理は、位相空間に定義される位相的性質です.
なので、ある位相空間が第一可算公理を満たす、とか
ある位相空間が第二可算公理を満たすなどの使い方をします。

可分
ある位相空間に稠密な可算部分集合が存在することをいいます.

つまり、閉包をとると全体集合となる可算個の部分集合が存在するということです.



開基は各点においていくらでも小さいものが含まれないといけませんから、開基を $\beta$ として、${\mathcal U}(x)=\{B\in \beta|x\in B\}$ とすると、この集合は $x$ の近傍基となります.さらに、これは可算集合の部分集合ですから、可算個です.よって、第二可算なら第一可算ということが成り立ちます.
従って、第二可算公理は、第一可算公理よりかなり強い要請だということもわかると思います.

また、重要なこととして、可分な距離空間は第二可算公理を満足します.
可算稠密部分集合の各点において、距離をいくらでも小さくできるように可算個の近傍基をとることは簡単です.つまり、そのような近傍基を全て集めてきたものはそのような位相空間の開基となるのです.


そういうわけで、実数上の通常の距離空間は、第二可算公理を満足します.
しかし、ゾルゲンフライ直線( $\{[a,b)|a,b\in{\mathbb R}\}$ を開基とする実数上の位相空間)は、可算個の開基をもつことができません.(授業中にも少しヒントのようなものを出しました.)よって、この空間は可分でもありますから、距離空間と見なせないことになります.どうしても距離の構造を入れることができない位相空間のことを距離化不可能位相空間といいます.そうではないものは距離化可能な位相空間といいます.
ゾルゲンフライ直線や平面については、こちらの記事(←)に以前書きました.

ゾルゲンフライ直線とは違って、
$\beta=\{[a,b)|a\in{\mathbb Q},b\in{\mathbb Q}\}$ を開基とするような ${\mathbb R}$ 上の位相空間はもちろん第二可算公理を満足しますが、可分で、第二可算公理を満足する通常の距離空間より強い位相を作る事ができます.

0 件のコメント:

コメントを投稿